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Fishing アメリカのバス釣り


バスボート大事故を防ぐたった1個のネジ 2017/1/18(水)

全体を空中へと浮かせ気味に水面を滑走するバスボート。

止まらない近年の高馬力化に伴い、最新のバスボートだと最高時速は120kmあたりへ達することももう珍しくないわけで、ガソリンを炊いて走るマシンの中でも、極めて危険度の高い部類に属するプライベートな乗り物かもしれません。

ヘルメットなし、シートベルトなし、オープンなスペースにあるシートにちょこんと座るだけ…という、車やバイクの世界から見たら「こいつらアホか」と言われても仕方がないレベルの無防備さのままで、落ちれば溺死するかもしれない水上をかっ飛ばすわけですよ…。

それだけに速くなればなってくるほど事故を起こしたときに搭乗者が受ける被害も倍増します。

つい先日、ジョージア州とフロリダ州の州境にある有名なバスレイク、セミノール湖で行われたFLWが主催するアメリカの大学対抗バスフィッシング・チームトーナメントの試合中に、フロリダ大学の生徒が運転するバスボート(映像を見るとトライトンですね)が朝のスポットへ向かって全開走行中に予測不可能な原因により操船不能状態に陥り、運転者ともう一人の助手席のアングラー2人共が水上へ投げ出されるという事故が発生。
幸い、トーナメント中ということもありルール上ライフベストの着用厳守のもとで起った事故だったため、湖へ投げ出された2人とも命拾いしたようです。

最近は、トーナメント中の記録を撮るためにバスボートにGoProなどの動画カメラを設置して一日中回しっぱなしにしている人が多くなってきているアメリカなのですが、この2人のトライトンが事故った瞬間もオンボード設置された動画カメラが見事に捕らえていました。
(以下、YouTubeに掲載された動画)



2人の若きバスアングラーの命は無事だったようで、そこんとこはひとまず何よりですが…。

いやこれ、ホント2人とも無事でよかった…。
湖へ投げ出されたことで無傷で済んだのかも。むしろボート内で頭とか打ったりしなくてよかったよ。
こういう事故のときに無傷で済む人と大怪我する人の差って、ほんのコンマ数秒に起る出来事で左右されますからね…ホント恐ろしい。

問題は、とても穏やかな湖面状況にもかかわらず、なぜこんなふうに突然ボートが回転してしまったのか?
そこのところの原因が、実はこの動画を見ているバスボートユーザー全員にとって「人事では済まされない」内容だったようです。

原因は、油圧ステアリングの船外機コントロール部分ピストンの動きを船外機へと直結している「ネジ1本」

小さなネジ、たった一本です。厳密にはナットですね。緩み止め入りのナイロンナット1個。

そのたった1本のネジが緩んでいたのを気づかず使い続けてしまったことで、たまたまこの朝にナットがポロリと外れ、ステアリングと切り離されてしまった船外機が暴れだし、ボート全体が制御不能に陥った。かじが一方向(この動画だと右方向)へ傾いたままでプロップは余韻で回っていますから、ボートが右回転で高速スピンしたわけです。で、人間は遠心力で水上へ放り出されたと。


私のバスボートを例に解説しますと…
私のバスボートを例に解説しますと…オレンジの矢印のネジ1本。

私のバスボートを例に解説しますと…
このネジ1本、バスボート運転者が命を預けている重要なパーツなのです。

ここ1箇所で操舵部と船外機が接続
ここ1箇所だけで、操舵部と船外機が可動式で接続されているのです。

ナイロン入りナットだが緩む可能性はゼロでは無い
ナットはナイロン入りの緩み止めタイプですが、緩む可能性はゼロでは無い。

ナットが外れたらこういう無防備な状態に
私の定期メンテナンス中画像。ナットが外れたらこういう無防備な状態に。


もう、この部品が原因だったということは、「トライトンが…」とか「XXのエンジンが」「XXプロップが」とかそういうレベルの話ではなく、もっと根本的で初歩的な話であります。

車のタイヤが外れて、タイヤ交換で自分でネジを締め忘れていたユーザーが、自動車メーカーの名前を出して文句を言ったら「お前が悪い」と言われてしまうのと同じ。
こういった保安部品の定期的な点検というのはユーザーとして最低限は自己責任で管理しなければならないところ。
機械のメンテナンスが苦手な人だったら、定期的にプロのメカニックに見てもらう。その定期的に見てもらうという行動が、つまりは自己管理だから同じことです。機械が苦手なんていうのは言い訳になりません。

どんなバスボートメーカーであろうが、どこのメーカーの船外機であろうが、おそらくここ20年ぐらいを振り返ってほぼ全ての高馬力バスボートがまったく同じ共通の仕組みを使って船体と船外機をくっつけてあるわけですよ。
つまり、ほぼ全てのバスボートにおいて同じ箇所の「たった1本のネジ」が緩んでしまうことで、これと同じ現象が起ってしまうリスクを同じように皆が抱えているっちゅうことですわ。

ずっと連載している月刊誌Basserにも、今から4〜5年前ぐらいに一度この油圧ステアリングの定期メンテナンスの重要性を詳しく書いたことがあるのですが、はたしてあの私の記事を見て「じゃあ自分のボートも」と点検・メンテナンスした日本人バスボートユーザーがいったい何人いたのか?なんとなく、ほとんどの人が「ふーん」…ペラリ(ページをめくる音)、で終わっていたような気がするのは私だけでしょうか(苦笑)

5年後の今からでも遅くありません。悪いことは言わない、上の動画を見て「ええー!これは怖いな」と思ったら、すぐにでも次の週末に油圧ステアリングのシステム一式をすみからすみまで点検してください。機械いじりが苦手な人は、プロのメカニックのところへ持っていって見てもらってください。外側にむき出しのパーツですから、目視での点検のみなら数分で終わる簡単な箇所です。

一般社会の生活用品の一部と化している自動車などと違い、レース用マシンとか小型飛行機とか、そういう類の特殊な趣味の乗り物だという自覚を持ってバスボートに乗ってください。大きな事故が起こってからでは、本人はもちろん、周囲の家族や友人、バスボートに乗る全ての人がつらい思いをします。
未然に防げるトラブルは、怠けずに予防しましょう。こういった保安部品は特に念入りに!慎重すぎて損することなんて何もありません!

注:このナットはトルクレンチを使い指定トルクで正確に締めてやることが重要。これでもかとやたらめったら強く締め付けるとそれはまた別のトラブル原因となり事故のもとです。
トルクレンチ?指定トルク?何それ?…って人は、素直にプロのメカニックさんに見てもらってください。

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